海水魚飼育の立ち上げが完了し、環境が整ってきたら、いよいよ生体導入です。
その際に外部からの生体導入をして、水槽内に寄生虫を持ち込んでしまったら大変です。
そんなお悩みにも対応が可能な「淡水浴」のやり方を丁寧に解説していきます。
- 容器に淡水を用意する
- エアレーションをセットする
- 魚を淡水に入れる
- 徐々にメイン水槽の環境にあわせる
- 経過観察
淡水浴は生体導入前のクリーニング、生体導入後に発覚,発病した治療法としても処置になりますので、是非知識としては頭に入れておかなければいけない必須事項となります。
- 淡水浴のやり方
- 淡水浴の注意点
- 効果のある寄生虫の種類
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はじめに
海水魚の治療法として「淡水浴」というものがあります。
淡水浴は、海水と淡水の浸透圧の差を利用すして、寄生虫を駆除するといった処置です。
「なんとなくは知っているけれど、具体的な方法がわからない」という疑問を抱えている方も多いかと思いますので、効果のある病気や寄生虫、具体的な手法、注意点などについて解説していきます。
海水魚に淡水浴をおこなうと何が起きるのか?
淡水浴をおこなうと「海水」と「淡水」の浸透圧が異なります。

その浸透圧を利用して、寄生虫の生息している環境を変えることで寄生虫など駆除するといった処置になります。
これは魚にとっても負担がありますので、注意が必要ですが魚に比べ身体が小さな寄生虫には効果抜群になります。
~豆知識~
・海水魚には淡水浴
・淡水魚には塩水浴
これが効果的です‼
海水魚を淡水浴することの効果
最大の効果は寄生虫を駆除できることです。
ただし、これに補足をすると・・・
淡水浴に効果のある寄生虫に対してです。
- ハダムシ、ヒラムシ
- 白点病
- トリコディナ
- ウーディニウム病 etc…

どの病気も良いことは1つもなく、手遅れになると海水魚が☆になり、最悪のケースでは水槽全体が寄生虫のたまり場になってしまい、水槽を丸々リセットなんてこともあり得ます。
そのため、寄生虫や病気を見つけた場合には早期に実施してみることがお勧めです。
淡水浴の具体的なやり方
事前に準備するもの
以下の品を用意して淡水浴を行ないます。
準備するもの | 補足 |
---|---|
バケツ | 透明な水槽だと魚の様子を観察できます |
水温計 | メイン水槽とい同じが理想です |
カルキ抜き剤 | 水道水の場合にはカルキがあるので注意です |
pH調整剤 | 淡水のpH調整は大切です |
pHメーター | 淡水のpH調整は大切です |
ヒーター | 淡水を温めるために |
エアレーション設備 | 酸欠防止に大切です |
プラケース | 海水魚を移す容器として使用 |
淡水浴のやり方
まずは魚の観察をします。
淡水浴(環境の変化)は魚に取っても負担が大きい治療法の為、弱っているのか、元気なのかは重要です。
※弱っている場合には時間を短めにすることなどの対応が必要です。
(1)容器に淡水を用意する
まずはバケツなどに水を用意します。
ここでは
・淡水のカルキ抜きを行う
・ヒーターで水温調節を行う
・淡水のpHを調整を行う
大事なことはメイン水槽と同じ「水温やpH」に合わせることです。
(2)エアレーションをセットする
バケツに淡水の準備が整ったら、次にエアレーションをセットします。
実際にはヒーターが水温を合わせている間にエアレーションをセットしておくと良いでしょう。
時間は10分程度はエアレーションをしておきましょう。
ウッドストーンは軽く、水に浮いてしまう可能性があります。
出来ればエアストーンの方が望ましいです。
(3)魚を淡水槽に入れる
メイン水槽とからバケツの淡水へそっと魚をすくいます。
- 小型の海水魚=1~3分程度
- 中型の海水魚=3~5分程度
- 大型の海水魚=5~6分程度
魚への負担も考えると、7分以上の淡水浴は避けた方が良いでしょう。
淡水浴にあたっての注意点
淡水浴中は魚の様子をよく観察し、様子がおかしい際はすぐに淡水浴は中止です。
移動時はヒレや体表に傷をつけないように十分注意です。
時間をしっかり計りましょう。初めての際は特に忘れがちです。
(4)徐々にメイン水槽の環境に合わせていく
ここで淡水浴が終わったらすぐに海水槽に戻す人もいますが、
急激な濃度変化は魚にとってストレスになりますので必ず水合わせを行ないます。

淡水浴を行なっていた容器に少しずつ海水を加えていきます。そして元の海水槽と同じ濃度になったら元の水槽に戻してあげましょう。
(5)経過観察
メイン水槽へ戻した後も淡水浴のストレスで急にエサを食べなくなってしまう子もいます。
経過観察をし、状況によっては人口飼料では無く冷凍エサや生き餌に変更をこころみるなどの対応も必要です。
さいごに
当たり前の話ですはありますが、淡水浴(環境の変化)は魚にとっては大きなストレスになります。
また、魚自身と会話ができれば「苦しい」とか「まだ大丈夫」とか、分かりやすいのですがそんなわけにもいきません。
海水魚飼育をおこなうアクアリスト自身でよく観察をし、全力で命に向き合いことが1番重要です。
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