海水魚飼育を始めたいと思ったときに、考えるのはカラフルな魚とサンゴがたくさん入り乱れ、青白いライトの光で水面がゆらゆら揺れ動く水景を作りたいと考えるのではないでしょうか?
今回の記事ではそんな理想な水槽風景とは少し異なるかもしれませんが、底砂を排除するベアタンクで得られるメリットやデメリットをご紹介してみたいと思います。
このベアタンクを理解すると、よくショップなどで底砂が敷いていない理由なども分かるかもしれませんね。
- ベアタンクとはどういうもの?
- メリットとデメリット
- ベアタンク水槽の注意点
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ベアタンクとは?

ベアタンクとは、底砂を敷かずに魚を飼育する水槽のことです。
ベアタンクの”bare(英語)”には”裸”や”むき出し”といった意味があります。
総じて水槽の底がむき出しになっている様子からベアタンクと呼ばれいます。
”bare”の意味=裸 とか むき出し という意味です。
我が家がベアタンクを選択した理由
我が家は10年程前から結果的にベアタンクで飼育をしています。
結果的にと言ったのは、もともとは底砂を引いていてよくある一般的な海水魚水槽を夢見てスタートをしましたが、白点病撲滅を探し回った結果、底砂を撤去する方向になった次第です。
結果的にはベアタンクは気に入っており、追加でフジリウム水槽を連結した際にも、ベアタンクを採用しています。
底砂は無いことによって良かったこと、困ったことなどいくつかありましたが、次の項目でそれぞれ解説をしていきたいと思います。
ベアタンクのメリット

ここではまずメリットを確認していくよ
(1)病気が発生しにくい
(2)掃除がしやすい
(3)泳ぐスペースが確保できる
(4)総重量を軽くできる
(1)病気が発生しにくい
病気の原因になる寄生虫などは底砂の中で増殖することも多いと言われています。
その底砂が無いことで根本的な病気の発生元を溜めないことが可能となります。
また底砂が無いことで水槽の掃除がしやすく、魚のストレスが減り結果的に病気の予防になります。

⇩水や底砂の汚れ
⇩水質の悪化
⇩魚にストレスが掛る
⇩免疫力が低下
「魚が病気になる」
ベアタンクは魚にとってストレスフリーな環境を維持しやすいと言えます。
(2)掃除がしやすい
先ほどの(1)とも重複するところもありますが、
ベアタンクは魚のフンや残りエサの見える化ができるため、ホースなどで簡単に水槽内のゴミを水槽外に排出が可能です。
また、コケなどについてもメラニンスポンジや激落ちくんなどで水槽内を全て掃除ができる為、底砂がある水槽に比べ格段に簡単にメンテナンスが可能となります。
(3)泳ぐスペースが確保できる
我が家は現在90*45*50のメイン水槽を使用していますが、仮に3~4cmの底砂を引いた場合にはこのようになります。
・3cmの底砂を引いた場合 ⇒ 90*45*3=約12ℓが底砂
・4cmの底砂を引いた場合 ⇒ 90*45*4=約16ℓが底砂
これは約3.5cmの底砂を敷くこと=30cmキューブ半分のスペース分に該当します。
そのため魚がよりゆったりを泳ぐスペースを増やすことが可能となります。
(4)総重量を軽くできる
我が家は特段気にしていませんが、大型水槽で床の補強工事をしていない場合には、水槽全体の総重量が気になる方が多いかと思います。
海水と底砂では底砂の方が重い為、少しでも総重量を軽くしたい方にとってはメリットをいうことができるでしょう。
ベアタンクのデメリット

もちろんデメリットもあるよ!
(1)コケや汚れが目立つ
(2)ろ過バクテリアが繁殖しにくい
(3)自然界の近いレイアウトができない
(4)レイアウトに制限が出る
(1)コケや汚れが目立つ

底砂が無い分、ゴミの蓄積が目に見えて目立ちます。
生き物は基本的に毎日排出物などを出しますので、掃除をしてもしても毎日蓄積されますので、本来底砂で目立たないものが、目立つことがデメリットをいえるでしょう。
また、感覚としては壁面より底砂の方がコケが付きにくいものの定期的にコケで汚れます。ライブロックなどがあると壁面よりは掃除が大変となります。
(2)ろ過バクテリアが繁殖しにくい
バクテリアは水中より、ろ材や底砂を住みかとして増殖しますので”ベアタンク”にすることでバクテリアの住みかを無くすことに直結します。
そのためバクテリアを多くした場合には、通常より濾過材を多めに設置すると濾過能力不足になりにくくなりますので対策が必要です。
(3)自然界の近いレイアウトができない
ベアタンクには底砂が無いため水槽内のレイアウトパターンは限られます。
・水槽内が何も入れないベアタンク
・ライブロックや擬岩を入れたベアタンク
どちらにせよ、自然界では見られない景色のため、どうしても人工感が出てしまうのがデメリットということができると思います。
(4)レイアウトに制限が出る
底砂が無い=ライブロックなどの支えが少ないとも考えることができます。
また、底砂が無いことで仮にレイアウトが崩れた際、底面にはガラスorアクリル面があるため、最悪水槽が割れる可能性もあります。
そのため一定のレイアウトにも影響が出る可能性があります。
ベアタンクの注意点
底面で生活する生物が飼育が難しい
底砂が無い場合には飼育できない種類が出てきます。

・鉄砲エビ類
・ハゼ類
・チンアナゴ
・ベラ類
このように一部の生物は底砂が無いと飼育自体に支障が出る場合があるので注意が必要です。
ライブロックがズレる、動くことがある。
これについては実体験としての話になりますが、底面のコケを掃除する際、よくライブロックに掃除用具があたり簡単にライブロックがズレることがあります。
その際レイアウトが崩れないように、ライブロックどうしをセメントなどで固定するなどの注意が必要です。
ベアタンクにしても、ゴミが溜まるスペースがある
我が家はベアタンクですが、ライブロックが水槽の中心部に来るように設置しています。
イメージはこんな感じです⇩

水流は強めの設定しているものの、ライブロックの下部分(水流が弱いところ)には総じてゴミが溜まりやすいが発生してしまいます。
実際の我が家の水槽紹介
写真でとると青色が強く上手く取れないですね。汗

我が家の水槽では2段ともライブロックを底面に直置きのベアタンクで飼育しています。
本記事でご紹介をしたようにメリット、デメリットはあるものの、実体験として1番のメリットは魚が病気掛かりにくくなった点にあります。
ここ数年はたまに生体の新規導入したタイミングで白点病が出ることがありますが、日常的にはほぼ病気が発生しない環境が整っていますので、底砂が無くてもという方には、なかなかお勧めな飼育環境です。
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